この記事は「空き家庭木越境トラブル解決シリーズ」の**第4弾**です。
「自分で切る」にしても「交渉する」にしても、まずは相手を知らなければなりません。専門家に頼まず自力で調査する手順を詳しく解説します。
第5章: 所有者を特定する調査手順
「隣に誰が住んでいるか(いたか)わからない」状態から、法的に有効な連絡先を突き止めるまでのステップです。
ステップ1:登記事項証明書(登記簿)の取得
まずは、その土地の「現在の名義人」を確認します。

法務局での調査
最寄りの法務局で、隣地の「登記事項証明書(全部事項)」を取得します。
・住所(住居表示)ではなく「地番」が必要です。
・法務局の備え付け地図や「公図」で、自分の土地の隣にある地番を確認しましょう。
・窓口で「隣の空き家の所有者を知りたい」と伝えれば、地番の特定を助けてくれます。
登記簿でチェックすべき項目

「権利部(甲区)」を確認してください。ここに記載されているのが所有者の氏名と住所です。
ただし、数十年前の住所のままだったり、既に亡くなっている方が名義人のケースも少なくありません。
ステップ2:住民票・戸籍の調査(相続人の特定)
登記簿上の所有者が亡くなっていたり、そこに住んでいない場合は、現在の居所や相続人を追跡します。

「正当な理由」による請求
原則として他人の戸籍は見られませんが、越境被害という「利害関係」がある場合、正当な理由として請求が認められることがあります。
・自分の登記事項証明書(隣人である証明)
・被害状況がわかる写真
・戸籍・住民票の請求書(「越境の対応のため所有者特定が必要」と明記)
戸籍の附票を活用する
「戸籍の附票」を取れば、その人の過去から現在までの住所の変遷がわかります。これで現在の住民票上の住所を特定できます。
ステップ3:現地調査と聞き込み
公的な書類だけではわからない情報は、足で稼ぎます。

・**郵便受けの様子**: チラシが溢れていないか、名前が残っていないか。
・**電気メーター**: 回っているか(通電しているか)。
・**近隣住民への聞き込み**: 「最後にご家族を見たのはいつか」「親戚が管理に来ていないか」を優しく尋ねてみましょう。
自分で調べる限界とプロの活用
自力での調査には限界があります。
司法書士・行政書士への依頼
戸籍の追跡(家系図の作成)は非常に複雑です。数千円〜数万円の費用で、職権による正確な調査を代行してもらえます。
弁護士による23条照会
弁護士に依頼すれば、電話番号や職歴などから住所を特定できる「弁護士会照会」という強力な手段も使えます。
この記事のまとめ
・第一歩は法務局で「地番」を確認し登記簿を取ること。
・名義人が不在・死亡時は「戸籍の附票」で住所を追跡。
・複雑な相続調査は早めに専門家(司法書士等)へ相談。