この記事は「空き家庭木越境トラブル解決シリーズ」の**第3弾**です。
自治体(市役所)の空き家対策部門を活用し、行政の力を借りて解決を目指す方法を詳しく解説します。
第4章: 自治体を活用する方法
自分で切除するのが不安な場合、市役所に相談するのも一つの手です。ただし、自治体ができることとできないことを正しく理解しておく必要があります。

自治体ができること・できないこと
期待値を正しく設定することが、スムーズな解決への第一歩です。
自治体ができること
1. **所有者への指導・勧告**: 固定資産税データから所有者を特定し、文書で適正管理を促します。
2. **所有者情報の調査**: 住民票の異動履歴や相続人情報を調査し、連絡を試みてくれます。
3. **近隣住民との調整**: 複数の苦情が出ている場合、町内会などと連携して動くことがあります。
自治体ができないこと
1. **代わりに切除してくれる(原則不可)**: 私有財産への介入には限界があります。
2. **費用を負担してくれる**: 切除費用は原則として自己負担または所有者負担です。
3. **即座に解決してくれる**: 調査や指導の手順を踏むため、最低1〜3ヶ月はかかります。
空家法と自治体の権限
2015年施行の「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)」により、自治体の権限が強化されました。
特定空家の認定と措置

危険な空き家は「特定空家」に認定され、助言・指導、勧告、命令、そして最終的には「代執行(強制切除)」が可能になります。ただし、庭木の越境のみで認定されるのは稀で、建物自体の危険性や公道への支障が考慮されます。
相談前の準備
自治体の窓口でスムーズに動いてもらうために、以下の準備を整えましょう。

1. 証拠資料の整理
越境状況や被害状況(屋根の傷など)の写真を10枚以上、時系列をまとめたメモ、位置関係のわかる地図をクリアファイルにまとめて持参します。
2. 隣家の情報収集
正確な住所(地番)や、いつから空き家なのかなど、わかる範囲で情報を集めておきます。
3. 他の被害者の確認
同じ空き家で困っている人が他にいないか確認しましょう。複数の住民から相談があると、自治体の優先順位が上がりやすくなります。
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効果的な相談の仕方
窓口(空き家対策課など)では、以下のポイントを押さえて伝えます。
具体的な被害を強調する
「邪魔だ」という感情論ではなく、「屋根の瓦が割れ、修理に〇万円かかる見込みだ」と具体的な実害を伝えると深刻さが伝わります。
公共性を訴える
「通学路に枝が出ていて子供たちが危ない」など、公共の利益に関わる点を伝えると、自治体が動きやすくなります。
協力姿勢を示す
「自分でも登記簿を調べたが連絡がつかなかった」と伝え、丸投げではない姿勢を見せることで担当者の協力を得やすくなります。
この記事のまとめ
・市役所は「所有者への指導」は得意だが「即座の切除」は苦手。
・具体的な被害写真と地図を持って窓口へ。
・近隣住民と協力して声を届ける。