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【高木・巨木の伐採】シルバー人材センターに頼む前に読む記事|造園業者が5つのリスクを解説

「シルバー人材センターに10mの巨木を格安で伐採してもらった」——そんな動画がSNSで拡散し、話題になっています。

「うちも大きな木があって困っている。シルバーに頼めるかも」

そう思った方こそ、この記事をぜひ最後まで読んでください。

造園業に携わってきた立場からお伝えすると、高木・巨木の伐採はシルバー人材センターに依頼してはいけないケースがあります。

そして、その「いけないケース」は思っているよりずっと多いのです。

この記事でわかること・シルバー人材センターへ高木・巨木の伐採を依頼するリスク

・法律・安全面から見た注意点

・専門業者へ依頼した方がよいケース

なお、シルバー人材センターの伐採・剪定に関するトラブル全般については以下の記事でまとめています。

本記事では「高木・巨木の伐採」に絞って、より深い問題を掘り下げます。

1. 多くのシルバー人材センターは「高木の伐採を断っている」

まず、知っておいていただきたい事実があります。

全国のシルバー人材センターの規約を調べると、高木の伐採について明確に制限を設けているケースが少なくありません。

実際の例・新潟県柏崎市シルバー人材センター:「登録会員は高齢者のため、安全面より伐採作業はお受けしておりません」

・兵庫県加古川市シルバー人材センター:「危険を伴う作業はお断りしています。植木の剪定も2階の屋根の高さまで」

・所沢市シルバー人材センター:「伐採は直径30cm以内のものに限ります」

法律上の根拠もあります。

シルバー人材センターを規定する高年齢者雇用安定法は、業務の範囲を「臨時的かつ短期的なもの、またはその他の軽易な業務」に限定しています。

10メートルを超える巨木の伐採が「軽易な業務」に該当するかどうか——答えは明らかではないでしょうか。

2. 断られないセンターこそ「危ない」

では、断られなかった場合は安心かというと、そうとは言い切れません。

シルバー人材センターでは、会員の自主的な判断で業務を受けることがあります。

見積もりに来た会員が「自分ならできる」と判断して受注するケースです。

現場の声「見積もりを担当する人によっては自分の判断で作業を受けることもあります。実際に、2階の屋根を越えるような高木の伐採を請け負っているシルバーさんも何度か現場で隣り合ったこともありますね」

(庭木の伐採専門ブログ より)

センター本部としては「断っている」のに、現場の会員が受けてしまう——つまり組織としての安全管理の外側で作業が発生する状況です。

これは最も危険な状態といえます。

3. 「高木伐採」には法律で定められた特別教育が必要です

これを知らずに依頼されている方が非常に多いのが実情です。

業務としてチェーンソーを使って木を伐採する場合、労働安全衛生法第59条・労働安全衛生規則第36条により、事業者が作業員に「チェーンソーによる伐木等特別教育」(18時間)を受けさせることが義務づけられています。

2020年8月の法改正で内容が強化され、それ以前の資格では業務に就くことができません。

さらに5年ごとの再教育も義務となっています。

教育を受けさせない場合のペナルティ・事業者に50万円以下の罰金

・重大事故が起きれば業務上過失致死傷罪

SNSで話題になった動画のように「元職人だから問題ない」というのは、法的には通用しない論理です。

2020年の改正によって過去の資格がリセットされている可能性があります。

実際に発生した事故2022年9月、福岡市のシルバー人材センターの男性会員(68歳)がチェーンソーで怪我をして亡くなりました。

男性が講習を受けていないことをセンターが確認せず、作業をさせていたことが明らかになっています。

読売新聞 2024年3月20日

https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20240320-OYTNT50051/

4. 高齢者に高木伐採をさせることの「身体的リスク」

「職人は年をとっても衰えない」——よく聞く言葉ですが、生理学的には正確とは言えません。

高木伐採が要求する身体能力と、加齢の関係を整理します。

① 反応速度(最重要)

伐採中に木が予想外の方向に倒れ始めたとき、体を逃がすための時間は0.数秒しかありません。

「かかり木」(途中で引っかかった木)の処理中が最も危険で、反応速度の低下は致命的な結果につながりえます。

② チェーンソーのキックバックへの対処

チェーンソーが「キックバック」(刃が弾かれる現象)を起こした瞬間に工具を制御するには、一定以上の握力が必要です。

男性の握力は70代になると20代比で約6〜7割まで低下することが知られています。

③ 高所でのバランス

脚立上でチェーンソーを保持しながら作業する場合、全身のバランス能力が常時要求されます。

加齢による内耳・固有受容感覚の鈍化は、この能力に直接影響します。

統計データ林業の死亡事故統計では、死亡災害の約6割がチェーンソーによる伐木作業中に発生しています。

「ベテランだから安心」という感覚は、残念ながら統計的な事実とは一致しません。

5. 「3時間1万8000円」の安さが意味すること

SNSで話題になった動画では、10m超の巨木を含む複数本の伐採が3時間・約1万8000円で完了したと紹介されています。

この「安さ」の構造については、シルバー人材センターの料金が安い本当の理由で詳しく解説しています。

要約すると——

シルバー人材センターの会員には雇用契約がなく、最低賃金法が適用されません。

仮に2名で3時間の作業であれば、1人あたりの実質報酬は3,000円前後になる計算です。

この価格に含まれていないコスト・チェーンソー特別教育の受講・更新費用

・防護服(切創防止用保護衣)などの安全装備代

・労災保険相当のリスクコスト

・適切な賠償責任保険の保険料

「安い」のは、これらのコストが誰かに転嫁されているか、そもそも存在しないかのどちらかです。

6. 事故が起きたとき、依頼者も無関係ではありません

最後に、依頼者側のリスクについてもお伝えします。

シルバー人材センターの会員は「個人事業主」扱いです。

就業中の事故は労働災害保険ではなく、センターが加入する独自の「シルバー保険」が適用されます。

この保険が高所伐採のような高リスク作業をどこまでカバーするかは、センターごとに異なります。

さらに深刻なのは民事上の責任です。

作業中に会員が重傷を負ったり亡くなったりした場合、依頼者が安全配慮義務違反を問われる可能性があります。

「依頼しただけで指揮はしていない」という主張が通らないケースもあります。

特に以下のような状況では注意が必要です。

注意が必要なケース・作業中に現場へ立ち会っていた

・途中で「この木も追加でお願いします」と依頼した

・明らかに危険な状況を認識しながら中止させなかった

このような事実があれば、実質的な使用者責任を問われる可能性があります。

「格安」のはずが、事故後に巨額賠償のリスクを負うことにもなりかねません。

保険・補償の問題に加え、作業ミスによるトラブル(依頼していない木を切られた、剪定後に木が枯れた等)の実例についてはこちらの記事もあわせてご確認ください。

まとめ:高木・巨木の伐採で「シルバー」を選ぶ前に確認すること

確認項目 チェックポイント
センターの業務規定 5m以上・高木の伐採を受け付けているか
作業員の資格 2020年8月以降の改正版チェーンソー特別教育を受けているか
安全装備 防護ズボン(切創防止用保護衣)を着用するか
保険の範囲 高所伐採事故に対応するシルバー保険が適用されるか
賠償責任 万一の際の補償範囲と上限額

これらをすべて確認してクリアできれば、シルバーへの依頼を否定するものではありません。

問題は、こういった確認をせずに「安いから」で決めてしまうケースが圧倒的に多いことです。

高木・巨木の伐採は井越企画へご相談ください

弊社は草加・越谷・川口・足立区を中心に、大木・巨木の伐採(特殊伐採)を承っています。

井越企画の対応内容・チェーンソー特別教育修了スタッフによる施工

・倒木方向の事前シミュレーション

・近隣建物・車両への養生対応

・廃材の現場処分まで対応

「専門業者は高いのでは」と思っている方に向けて、実際の料金例を施工例ページにまとめています。


伐採・庭じまいの料金例はこちら

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小沼克年

小沼克年

【報道記者の経験も‼硬派な編集者】株式会社エスバー(井越企画)専務|井越企画の立ち上げメンバー|造園現場の経験も豊富|20代の頃からwebメディア企画(福祉サービス業、キッチンカー、メンズ美容ブランド)に従事|趣味はホームパーティー、スニーカー収集、DIY

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