この記事の位置づけ|「抜根単独シリーズ」第3回(全4回)

前回までのおさらい
第1回費用が変わる作業原理(重機の要不要)
この記事でわかること この記事のポイント・抜根費用が「幹の太さ」だけで決まらない理由 ・重機が使える現場・使えない現場の判断基準 ・重機が入らない場合、作業がどう変わるのか(工程・時間・人数) ・「高い見積もり」と「安い見積もり」の差がどこで生まれるか こん...
第2回抜根する/しないの判断基準
前回のおさらい この記事でわかること この記事のポイント・「枯らす」「残す」は本当に選択肢になり得るのか ・多くのサイトが教えない「抜根しなくていい条件」 ・逆に必ず抜くべき条件は何か ・判断を誤ると起きる具体的なリスク こんな人におすすめ ...
この記事でわかること

この記事でわかること・抜根後の穴を放置するとどうなるか(要点のみ)
・「抜根費用」と「復旧費用」が別枠になっている理由
・見積もりに整地費用が含まれているかを確認する方法
・安い見積もりに潜む「後出し追加費用」の構造
こんな人におすすめ
こんな人におすすめ・複数業者から見積もりを取り、金額差に戸惑っている
・「抜根費用○円〜」という広告表示を見て検討中
・追加費用でトラブルになりたくない
「A社は1万円、B社は3万円でした。A社に決めようと思うんですが」
その金額に整地費用が含まれているか確認しましたか?
抜くだけで終わらせると、あとで想定外の出費になることがあります。
抜根後の穴を放置するとどうなるか(要点のみ)
競合記事では「地盤沈下の仕組み」が詳しく書かれていますが、ここでは現場で実際に起きることに絞って整理します。
陥没・地盤沈下が起きる仕組み
抜根後の穴は、正しく埋め戻し・転圧(締め固め)をしなければ、時間の経過とともに土が沈んでいきます。

根株の周囲に空洞が残ると、その上の土が少しずつ崩れ落ち、地面が陥没します。
特に問題になるのは、コンクリートや舗装の下に根株が残っていた場合です。
地表からは見えないところで空洞化が進み、ある日突然、舗装面がぼこっと沈む——こういったケースが実際にあります。
雨水が溜まることによる二次被害
埋め戻しが不十分な抜根跡には雨水が溜まります。
これが繰り返されると、土が締め固まらないまま常に湿った状態が続き、地盤が軟弱化します。
軟弱化した地盤の上に重いものを置く・乗り入れる・舗装するという場合、後から補修が必要になるケースがあります。
POINT「抜根が終わったら完了」ではありません。
穴の埋め戻しと転圧が完了して初めて、抜根工事は完結します。
ここを省く業者に注意が必要です。
「抜根費用」と「復旧(整地)費用」は別工程である
ここが、見積もりの金額差を生む最大の理由です。

見積もりが「抜根費用のみ」で提示されるケースが多い理由
インターネット上の「抜根費用の目安○○円〜」という表示の多くは、根を引き抜く作業費のみを指しています。
以下の費用が含まれていないケースがあります。
見積もりに含まれていないことがある費用・根・根株の処分費・運搬費
・穴の埋め戻しに使う土(真砂土・砕石など)の材料費
・埋め戻し後の転圧・締固め作業費
・地面の仕上げ(平らに均す整地作業)費
これらは「作業としてやっていること」にもかかわらず、費用の内訳に明記されないまま「別途」として後から加算されることがあります。

埋め戻し・転圧という工程が別途必要になる根拠
抜根後の穴は、単に土を放り込んで終わりにできません。
土を入れた後に転圧(機械や人力で叩き締める)をしなければ、時間が経つと土が沈んで再び穴ができます。
特に、後からコンクリートを打設する・駐車場にするという場合は、埋め戻し土の種類(真砂土・砕石など)と転圧の方法が地盤の安定性に直結します。
施工の質が将来の地盤の状態を決めます。
| 工程 | 内容 | 費用に含まれやすいか |
|---|---|---|
| 抜根(根を引き抜く) | バックホーまたは人力で根株を掘り出す | ◯ 多くの見積もりに含まれる |
| 根の処分・搬出 | 根株・根の切れ端をトラックで搬出・処分 | △ 別途になっているケースあり |
| 穴の埋め戻し | 土・砕石を穴に投入する | △ 別途になっているケースあり |
| 転圧・締固め | 埋め戻した土を機械または人力で締め固める | ✕ 省略・別途になりやすい |
| 整地・仕上げ | 周囲と高さを合わせて表面を均す | ✕ 省略・別途になりやすい |
見積もりに整地費用が含まれているかを見抜く方法
金額だけを比べても、含まれている内容が違えば意味がありません。

見積もりを受け取ったときの具体的な確認方法を説明します。
「抜根費用○円〜」表示に整地費用が含まれているかの確認ポイント
広告や概算見積もりに「抜根 ○○円〜」と書かれている場合、以下の点を業者に確認してください。
確認ポイント・「この金額に根の処分費・運搬費は含まれていますか?」
・「穴の埋め戻しまで含まれていますか?」
・「埋め戻し後の転圧・締固めまで含まれていますか?」
・「整地(地面を均す作業)まで含まれていますか?」
・「追加費用が発生するとしたら、どういうケースですか?」
これらの質問に対して明確に答えられない業者・嫌がる業者は、後出し追加費用のリスクが高いと判断してください。
安い見積もりほど復旧費用が別出しになりやすい構造
なぜ安い見積もりが存在するのか。

その多くは「作業の一部しか見積もりに含めていない」からです。
| 見積もりパターン | 含まれていること | 後から追加されやすいもの |
|---|---|---|
| 「格安・最安値」広告 | 抜根の作業費(工賃のみ) | 処分費・搬出費・埋め戻し・整地・重機代 |
| 一般的な見積もり | 抜根費+処分費 | 埋め戻し・転圧・整地 |
| 支払総額明記の見積もり | すべての工程を含む | 基本的に追加なし |
弊社の見積書には「処分代・埋め戻し・整地費込みの支払総額」を明記しています。
見積もりを超えるご請求は一切ありません。
依頼前に確認すべき質問例
電話・メールで見積もりを依頼する際に、最初から伝えておくと良い言い方の例です。
依頼時に伝えたいこと・「抜根から穴の埋め戻し・転圧・整地まで、一連の作業を込みで見積もりをお願いします」
・「追加費用が発生する場合は、事前に教えてください」
・「見積書には作業内容を項目別に記載してもらえますか?」
この3点を最初に伝えておくだけで、後からトラブルになるリスクが大幅に下がります。
復旧が必要な範囲によって費用はどう変わるか
木が大きいほど埋め戻す範囲が広がる
根株のサイズは、地上の幹径に概ね比例します。
幹径が大きくなるほど、引き抜き後の穴が大きくなり、埋め戻しに必要な土の量も増えます。
| 幹径の目安 | 穴の大きさの目安 | 埋め戻し費用の目安 |
|---|---|---|
| 15cm未満 | 直径0.5m×深さ0.5m程度 | 数千円程度(土代+作業費) |
| 15〜30cm | 直径1m×深さ0.7m程度 | 5,000〜15,000円程度 |
| 30〜60cm | 直径1.5〜2m×深さ1m程度 | 15,000〜40,000円程度 |
| 60cm以上(大木) | 2m超×深さ1m以上になることも | 別途現地確認が必要 |
※土質・埋め戻し材の種類(真砂土・砕石・再生砕石など)・転圧方法によって変動します。
土壌改良が必要になる特殊なケース
通常の埋め戻し・転圧では対処が難しい状況があります。
こういった現場では、標準的な復旧費用に追加の費用が発生します。
追加費用が発生しやすいケース・粘土質の土地:水はけが悪く、埋め戻した土が締まりにくい。砕石や透水性のある材料に替えると費用が上がる
・常に水が溜まる低地:埋め戻し後に排水処理が必要なケースがある
・後から舗装・建築を予定している:通常の真砂土ではなく砕石+転圧が必要。地盤の強度を確保するための材料・工程が増える
・大木の根株が残存していた場合の二次抜根:前回の施工で根株の一部が残っていた場合、再掘削が必要
「水はけが悪い土地」「粘土質」という現場条件を現地確認前に伝えておくと、見積もりの精度が上がります。
現地を見ずに出された見積もりが安い場合、こういった土質条件が考慮されていない可能性があります。