Tel メール 見積依頼

公式メディア

【専用庭の高木トラブル】管理規約の境界線を解説|「自分の庭」と思っていたら共用部分でした

専用庭の木が伸びすぎて
上の階から苦情が
来ています…

それ、住んでいる方の責任とは限りません
まずは専用庭の位置づけから
整理しましょう

この記事でわかること
専用庭は「専有部」ではなく「共用部分」だという法的な位置づけ
高木トラブルが起きたとき、責任は誰にあるのか
「通常の管理」と「管理組合負担」の境界線
実際に起きやすい高木トラブルのパターンと対応の考え方
こんな人におすすめ
専用庭に植えられた高木が近隣トラブルの原因になっている
専用庭の管理範囲がどこまでか曖昧なまま運用されている
高木の剪定・伐採費用を誰が負担すべきか判断に迷っている

専用庭は「専有部」ではなく「共用部分」

「専用庭」という言葉から、多くの人は「自分の庭」=専有部分のようなイメージを持ちます。しかし法的には、専用庭はマンションの共用部分の一部です。

専用使用権という特殊な扱い

マンション標準管理規約では、1階に面する庭など特定の場所について、特定の区分所有者だけが使用できる権利(専用使用権)を認めています。バルコニーと同じ扱いのグループに入る部分です。

つまり専用庭は、

・使う権利は特定の区分所有者にある
・しかし所有権・管理の大枠は管理組合にある

という、二重構造になっています。

「専用」という言葉と法的な位置づけのズレがトラブルの出発点

この「専用=自分のもの」というイメージと「実は共用部分」という法的な実態のズレこそが、高木トラブルの多くの出発点になっています。「自分の庭に生えている木なのだから、自分の好きにしていい」という認識と、「共用部分である以上、一定のルールに従う必要がある」という規約上の実態が食い違うのです。

高木トラブルが起きたとき、責任は誰にあるのか

「通常の使用に伴う管理」という考え方

マンション標準管理規約では、専用使用権が認められた部分について、「通常の使用に伴う管理」は専用使用権を持つ区分所有者の責任と負担とされています。

これを植栽に当てはめると、日常的な剪定や除草といった通常の手入れは、専用庭を使っている住人が行うべきもの、という整理になります。

「通常の管理」と「管理組合負担」の境界線

一方で、すべてが個人負担というわけではありません。一般的な整理としては、次のような区分けがされています。

費用負担の考え方(一般的な整理)
通常の使用に伴う管理(日常の剪定・除草など)→ 使用者(区分所有者)の負担
経年劣化や構造的な問題(設備の老朽化など)→ 管理組合の負担

植栽については、「もともと植えられていた木が経年で高木化した」という事情がある場合、この線引きが曖昧になりやすいのが実務上の難しさです。

実際に起きやすいケース

一般的によく見られるパターンとして、次のようなケースがあります。

よくあるケース
入居時、専用庭にモデルルーム仕様として植えられていた木が、数年〜十数年かけて上階の高さまで成長。日照や風通しへの苦情が上階住民から出るが、専用庭の使用者は「自分の意思で植えたものではない」として対応に消極的になり、話し合いが難航する。

このようなケースでは、標準管理規約の条文(専用使用権のある部分について、通常の使用に伴う管理は使用者の責任・負担とする旨の規定)を踏まえ、まず使用者側に管理の責任があることを説明した上で、剪定などの対応を促す、という進め方が一般的です。

高木特有の問題が起きやすい理由

法律上の整理だけでは見えてこない、樹木ならではの難しさもあります。

入居時は低木でも、数年〜十数年で想定外の高さになる

植栽工事の段階では管理しやすい高さの木でも、樹種によっては数年から十数年で数メートル単位まで成長します。購入時には想定していなかった高さに育ち、そこで初めてトラブルとして顕在化するケースが少なくありません。

「自分で植えたわけではない」場合、責任の所在が曖昧になりやすい

デベロッパーやモデルルーム仕様として最初から植えられていた木の場合、現在の区分所有者からすれば「自分の意思で植えたものではない」という感覚が強くなります。しかし専用使用権がある以上、通常の管理責任は使用者側にあるというのが規約上の整理です。この感覚と規約のギャップが、話し合いを難しくする要因になります。

日照・越境・落葉などは、木が成長してから顕在化するため予防しにくい

植栽計画の段階で将来の樹高まで見据えて配置されているケースは、実はそれほど多くありません。結果として、日照阻害・隣接住戸への越境・落葉による苦情といった問題は、木が十分に成長してから初めて表面化するという特徴があります。

高木トラブルへの対応の考え方

管理規約・使用細則に専用庭の管理範囲が明記されているか確認する

まず確認すべきは、専用庭の管理範囲や植栽に関するルールが、管理規約または使用細則に具体的に明記されているかどうかです。「専用使用権がある」という一文だけで、植栽管理の詳細まで触れられていないマンションも少なくありません。

明記されていない場合、理事会で規約への追記を検討する

明確な規定がないままトラブルが起きると、その都度話し合いが難航しやすくなります。

規約に明記しておくとよい項目
専用庭内の植栽管理は使用者の責任である旨
高木化が懸念される樹種の取り扱い(植え替え・剪定の目安)
管理組合が是正を求められる条件

剪定・伐採が必要な場合、費用負担の切り分けをどう判断するか

「通常の管理」の範囲内であれば使用者負担、老朽化や当初の植栽計画の不備など管理組合側の事情が強い場合は管理組合負担、という整理が基本になりますが、実際には個別の状況を見て判断する必要があるケースがほとんどです。判断に迷う場合は、専門業者に現地を見てもらい、状況を客観的に整理してもらうという方法もあります。

区分所有者間で折り合いがつかない場合、管理組合が仲介する範囲

当事者同士の話し合いで解決しない場合、管理組合が間に入り、規約に基づいた説明を行うことで解決に至るケースもあります。ここでも、規約に具体的な根拠があるかどうかが、話し合いを前に進められるかの分かれ目になります。

まとめ

専用庭の高木トラブルは、法的な整理(誰が管理責任を負うか)と、実務的な対応(実際にどう剪定・伐採するか)の両方が必要になる問題です。

「専用庭=自分の庭」というイメージと、共用部分としての規約上の実態にはズレがあることを踏まえ、まずは管理規約・使用細則の記載を確認するところから始めることをおすすめします。

現地の状況を踏まえた上で、剪定や伐採の必要性、費用感についてご相談いただくことも可能です。

高木トラブルのご相談はコチラ

小沼克年

小沼克年

【報道記者の経験も‼硬派な編集者】株式会社エスバー(井越企画)専務|井越企画の立ち上げメンバー|造園現場の経験も豊富|20代の頃からwebメディア企画(福祉サービス業、キッチンカー、メンズ美容ブランド)に従事|趣味はホームパーティー、スニーカー収集、DIY

関連記事

ページ上部へ戻る
048-919-2977